アジアではキックボクシングが非常に盛んだ。米国においてNBA選手をしのぐ人気を集めるようなメガスターも存在する。日本人の人気選手、那須川天心も、キックボクシングという競技の圧倒的実力者の一人だ。那須川は、格闘技全体を見回しても特に動きの素早いストライカーの一人と言える。那須川が繰り広げる電光石火の試合展開は見ていて心が躍る。今回、那須川がRIZIN 24で挑む相手は田中宏治だ。那須川は世界的によく名を知られた選手だが、この機会に彼のことをさらに深掘りしてみよう。
那須川天心はその実力と戦いっぷりから年齢が上に見られがちだが、実は22歳とまだ若い。プロとして39試合に出場し、アマチュアでは99試合をこなしている。那須川の格闘技への情熱は、東洋で生まれた伝説的なキックボクシングイベント、K-1(ケイ-ワン)から始まった。
「テレビでK-1を見て、いつか自分も大きな舞台で戦いたいと思ったのが、この競技を始めるきっかけになりました。」
格闘以外に、那須川はユーチューバーとしての活動も積極的に行なっている。自身のチャンネルには日常の何気ない一コマを収めた動画を上げており、その内容は必ずしも競技に関するものではない。「YouTube用の動画を撮影したりゲームしたりするのが好きです。」
那須川天心とRIZIN
那須川は一流アスリートだ。コロナ禍で世の中が足止めを食らう一方で、那須川は他選手との差をさらに開くための機会と捉えた。
「自粛にはあまり影響を受けませんでした。この期間を休養に充てる選手もいると思いますが、自分はこの機会にもっと強くなれるように自分を追い込みたかったので。」
先述の通り、那須川天心は若いながら場数はしっかりと踏んでいる。これまでの選手人生の中で一番気に入っている思い出は何かという質問に対し、RIZIN 24に名を連ねているある選手との一戦を口にした。
「どの対戦相手もそれぞれに違った感触があるので、一人を選ぶのは難しいです。でも堀口恭司選手との試合はすごく印象に残ってます。昔ながらのスタイル同士の試合みたいな感じがあって楽しかったです。」
キックボクシング、ムエタイ、ボクシング、MMAと主要な打撃系競技で戦ってきた。総合格闘技では4勝0敗という戦績(すべてRIZIN)を持つ那須川が、これから本格的にMMAを目指すのかどうか気になるところだが、期待し過ぎない方が良さそうだ。本人は「今のところ、MMAで戦う予定はありません」と語っている。
多くの競技で結果を出している那須川にとって、よく比較されるキックボクシングとムエタイのどちらの方が好きなのか聞いてみた。特にどちらの方が好きということもないとのことだったが、この両者の違いについて意見を聞くことができた。
「ムエタイはどっちかというとテクニック重視だと思います。キックボクシングは相手をノックアウトすることに重きを置いていて、そこが大きな違いだと思います。」